司馬遼太郎記念学術講演会
「現代を生きる家族」
大阪外国語大学を卒業した司馬遼太郎氏をしのび、その遺産を継承するための司馬遼太郎記念学術講演会(主催・阪大)が6月13日にサンケイホールブリーゼで行われた。「現代を生きる家族」をテーマに評論家の松本健一氏と脚本家の山田太一氏が講演、対談を行った。学生や市民など約900人が真剣に話に聞き入っていた。
【6月13日 大阪大学POST=UNN】

【写真】司馬遼太郎氏にふれながら「現代を生きる家族」をテーマに対談(6月13日・サンケイホールブリーゼで、撮影=大喜多理沙)
第1部では、「司馬遼太郎の『場所』」を著するなど司馬遼太郎の研究を手掛ける松本健一氏は「日本の青春と閉塞の時代−『坂の上の雲』にふれて」と題して講演。松本氏は「(「坂の上の雲」で)司馬さんは日露戦争史ではなく、懸命に生きた無名の国民一人のことを書こうとした」と述べ、作品解説を通して昔は国民一人一人が歯車となって国民国家を形成したことを言及。一方で現代社会では「現代社会ではそれぞれの時間をもってそれぞれが行動している」と指摘した。
続いて司馬遼太郎氏の作品の脚本を手掛けたことのある山田太一氏が「家族の肖像」と題して講演。ユーモア溢れる喋り口調で会場を笑いに包みながら、司馬遼太郎氏の作品について「普通は戦争のような大きいものを小さいもので書けないが、司馬さんはそこを難しすぎず、かといって下品にもならず表現した。そこがすごい所」と評価した。家族については「個の世界では家族は不合理なもの。しかし、個が確立して家族というものがうまくいなかいとなると大事なものを取りこぼしてしまう」と話した。
第2部では石野伸子産経新聞社編集委員が司会で「現代を生きる家族」をテーマに松本氏と山田氏の対談が行われた。家族について、松本氏は「どこにもつながりを持っていない若者が多い。都会で一人生きていく孤独感がある。家族は辛いことがあても家族がいると思える暖かい場所でないといけない」と述べ、それに応じて山田氏は「今、若者の自殺者が増えていることを考えていかなければいけない」と話した。
【大喜多理沙】










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